異世界へぶっ飛べる音楽(エレクトロニカ編)
1. Kettel - Volleyed Iron
イメージさせるのは、森や、その中に佇む湖と言ったところか。森は森でもよくある日本の森ではなく、ファンタジー世界の中のエルフの森のような幻想的な空間を想起させる。他のアルバムでは割と強めにビートが鳴っているが、このアルバムではなりを潜めており、甘美なアンビエント作品に仕上がっている。この音楽は、都会にあるちょっとした自然をも、美しく彩ってくれるだろう。
2. Secede - Tryshasla
こちらもオランダの電子音楽家である、Secedeの2枚目のアルバム。
このアルバムも、森や自然の中を想起させる。しかし、どこか未来的な雰囲気も漂う。まるでこの先の人間社会が滅び、未来的な構造物を自然が覆う世界に、新たな文化が息づきつつある世界のようである。上記のKettelのアルバムよりも、全体を通してメロディがはっきり流れており、聴きやすいのではないかと思う。異世界感はかなり高いのでおすすめです。
3.Ametsub - All is Silence
ジェケット通りの、退廃的空間が目の前に広がるような音楽。
4.Boards Of Canada - Music Has The Right To Children
スコットランドエレクトロニック・ミュージック・デュオBoards Of Canadのデビューアルバム。
このアルバムの雰囲気は、今回紹介する音楽の中でも 一段と有名なアルバムでありながら、かなり異質。想起させるのは、自然の風景もなく、近未来的な都市でもない。それは行ったこともないのに、子供の頃の記憶の影に残っている場所であり、この世のどこでもない狭間の世界のよう。居心地の悪い懐かしさのようなものがありながらも、浸っていたいような不思議な感覚があり、まさしく異世界の感覚を味わえる。
5.Hammock - Maybe They Will Sing For Us Tomorrow
アメリカのアンビエント・ポストロックバンドのHammockによる4枚目のアルバム。
バンド名が表すように、少し牧歌的な雰囲気も感じるアルバム。微かに明るくなりつつある、朝の山間の風景を思わせる。しかし、現実にはないような壮大な空間の広がりを感じさせる。